どなた様?

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暁は困ったようにハハッと笑っていた。 「どうどう 落ち着きや千夜 病み上がりで弱っとる相手に勝って嬉しいんか?」 「負けるよりマシだぁ!!」 「まっそりゃそやな」 翼は質問するだけ無駄だった……と苦笑した。 「……お三方 いつまで暁のお宅に居座るおつもりですか?」 麗獅のいきなり変わった話に一同は瞬きを繰り返した。 そして三人は考え込む。 長い沈黙を裂く様に再び麗獅が口を開いた。 「まさかずっとなんて言いませんよね?」 絶対零度の微笑み。 三人は同時に俯いた。 「出て行きなさい 迷惑です」 麗獅は三人の襟首を掴み問答無用で引きずって行った。 「ちょっ一旦待て麗獅!!!」 暁に止められ玄関で足を止める麗獅。 「ではどうするんですか? これ」 麗獅はビシッと三人を指差す。 「これ言うな そして指差すな」 千夜の言葉など気にも止めない麗獅。
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