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第一章
俺は今、ある高校の校門の前で息を切らしている。
膝も大爆笑中だ。
今日は高校の入学式。
受験の間部活もやらず、勉強に勤しんできたこのマイバディでは、急激な運動に耐えられるわけがなかったのだ。
何故こんなにも息を切らしているのか、俺にもいまいち理解できていない。簡潔に述べるのであれば……恐怖が目の前に現れたから……だな。
1
素敵に無敵に絶対に、完全なる視覚の外。いわゆる死角。
そんな死角があったが故にこんなにも驚きの……。
Mがトレードマークの赤帽子さえも真っ青にする様な、ベッタベタな展開になるなんて思わなかった。
それはおおよそ五分程前だろう。
俺は登校時間の三十分前に身支度を済ませ、いつもの習慣である、朝の星座占いの結果発表をドキドキワクワクしながら見ていた。
なんと結果は一位! その嬉しさでテンションMAXになった俺は鼻歌まじりで、高校へと向かっていた。
憎むべきは……曲がり角が高校への道のりに含まれていたことだろう。
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