第一章

2/12
前へ
/12ページ
次へ
 俺は急いでるわけでもなく、ましてや遅刻しそうな訳でもなく、のんびり歩いて高校へと向かっていた。そこでさしかかったのが曲がり角。  俺の口に食パンは挟まっていないし、走ってもいない。  言わば普通の高校生だ。つ・ま・り、普通じゃないのは奴の方なのだろう。  この年にも関わらず、スキップしかねない程テンションが上がっている俺は、ひょいと曲がり角を曲がった。  その時だった。俺の全身に凄まじい衝撃が走ったのは。  その衝撃は過去の過ちを思い出させた。  そう、それはある日のこと。いつも通り友達とふざけ合っていた俺。  しかしふざけ合いが度を超えたらしく、友達マジ切れ。  振りかざす拳。思いっきり、ぶん殴られる俺。  その時くらいの衝撃だった。  俺は身構えもせずに、そんな衝撃を全身で受けたので、その場に倒れてしまった(友達に殴られた時も勿論倒された)。  倒れる時に背中をしたたかにうちつけた為、一瞬息ができなくなる。  うっ、とうめき声をあげてしまう。  息苦しさはすぐに引いたので、地面に手を着きなんとか起き上がることができた。  汚れた部分を払う。  背中も頑張って払い終えると、衝撃が飛んできた方向を見据えてみた。 一回目完了
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加