第一章

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「どっせーい!」  ……俺は合掌をした。  風船が割れるよりも綺麗な音が、ぱちーんって綺麗な音がした。  俺、合掌で良い音鳴らす大会に出たらチャンピオンになれるんじゃね? って程良い音がした。  勿論、みんな呆然。超唖然。  でも気にしないよ! 彼女も思わず顔を上げてこちらを見ている。  口半開き。そんな状況。  でも、今しかないよね。 「ちょっと廊下で話しませんか?」 「…………」  うん、沈黙。  超沈黙。  超超超超沈黙なんですけどぉぉぉぉ!  俺は頑張った。勇気を見せたさ。なのに、沈黙って。  もういい! もういいよ!  怒っちゃうもん。ぷんぷん。  ……キモい。  とりあえず、俺は廊下に出ることにした。と言うか、まだ殆ど入ってなかった。  俺が教室から出ると、彼女もおずおずと、教室からついてくる。 「えーっと、あなたの用事はなんですかい?」  まずは聞いてみた。一応聞かんことには始まらんしな。  他人と意見を交換するには会話しかないよね。文字じゃイントネーションの違いもわかんないだろうし……。  でも俺は人の目を見て話すという初歩の初歩が苦手だからなー。と言うわけで只今キョドりまくってますね。ええ、はい。 一回目完了
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