運命。

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 時は西暦2480年。世界には平和が訪れ、人々が戦争という言葉を身近に感じることはほとんどなくなった。  何10年か前に突如出現した、戦争根絶を掲げる武装組織、ソレスタルビーイングを知るものは、もはや少ない。それだけ、世界には平穏が訪れていた。  連邦政府も、治安復興や、内乱の非武力的な鎮圧に力を入れ、誰もが信頼する組織となっている。  そんな中、私は、宇宙で働く仕事がやりたくて、宇宙技師の資格を取るために猛勉強していた。特に理由はないけれど、宇宙に、行きたかった。 「これでよし、と。明日は初めての宇宙での研修だから…ちょっと緊張するけれど、やっとあの空へ上がれるんだもの。楽しまなくちゃ」  研修で使う道具や着替えなどバックに詰めながら、私は笑顔で研修のパンフレットを見ていた。 「宇宙って、まだ行ったことないけれど、すごく懐かしい気がするのよね。広くて、未知の世界って感じで…」  何かに、誰かに会えそうな気がして。 「…そんなわけ、ない、か。さぁて、もうそろそろ寝なくちゃ!寝不足じゃ困るもの」  居所の分からない懐かしさを抱きながら、私は明日のために、早めに夢へと落ちていった。
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