序章

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「ぎゃあぁぁぁぁ!」 ブシュ!という濡れた音と、耳障りな悲鳴が辺りに木霊する。 「派手にやるなぁ。」 小さな男の子が立っている 自らの手で斬り伏せ、地面に伏すそれを、何の感情を浮かべずに眺めていた。 ―――と。 この情景にそぐわない、柔らかな微苦笑を含んだ低い声が掛けられる。 「でるた。にんむかんりょう?」 「ん。そーだな。」 ぽんぽん。と男の子の頭を撫でるもう一人の男。 「帰るか。」 「うん。」 2人は暗い夜道を歩いて帰って行く。 冷たく暗い。だけど最も暖かい【組織】へ。
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