始まりは終わりから

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その昔、ある恋仲の男女二人がいた。   しかし、ある日のこと。 男が女を「飽きた」と言って縁を切りたいと告げてきた。   女はそのことにひどく怒り男をこの池に蹴り落とした。     「これ私にそっくり……」   「まあ黙って聞け」     すると池からまばゆい光に包まれた神様が現れて女にこう告げた。   「お前が落としたのは金の彼氏か?それとも銀の彼氏か?それとも銅の彼氏か?……とな」     「なんかこれ童話で聞いたことある気が……」     4発目のハリセンは口だった。 黙れと言うなら口で言え!と言いたかったが口がヒリヒリして言い返せなかった。     「ようするにお前はこの池に伝わる伝説を呼び起こしたのだ」   「……なんか無理やりな気がするんだけど」     超絶童顔少年がハリセンを構えたので土下座した。   「あれ?と、いうことは……」   超絶童顔少年は頷いた。   「伝説を呼び起こせし少女よ、お前が落としたのは 優しく爽やかだけどSな金の彼氏か? それとも照れ屋でツンデレな銀の彼氏か? それとも元々のろくでなしの銅の彼氏か?」   金は優しく爽やかだけどS…… 銀はツンデレで照れ屋…… 銅はろくでなし…… そんなの決まってる! 私は即答した。       「金と銀蹴り落としました!」
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