10/10 土

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そして明くる日。朝目が覚めると居間から誰かの声がかすかに聞こえたので物取りが家に入ってきたのかと思い。近くに立てかけてあった金属バットを持って恐る恐る居間の襖を開けてみるとそこには誰もいなかった。荒らされてもいなかった。しかし声だけがする。よくよく耳を澄ましてみればどうやら寝息や寝言のようだった。 この部屋には子犬二匹しかいないはずだと考えながら声の主を探していると、昨日の彼女の言葉を思い出した。まさかと思いながらも子犬が寝ている篭の中に耳を傾けると、どうやらここから聞こえるようだった。俺は思わず声をあげそうになったが、何で今になって聞こえるのかという疑問が頭に浮かんだので声はでなかったが、代わりに長いため息がでた。
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