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田舎というのはなかなかに土地を持て余しているようで、私達がこれから泊まる『雛守』と言う合宿所は旅館のように広々としていた。
てっきり、一つの部屋に部員が押し込められるのかと思ったが、予想外な事に部屋は沢山あり、一部屋二人で泊まる事が出来るようだ。
「へぇ~。景色もいいし、いい部屋ね~」
一部屋二人という事で、同室になったのは勿論夏奈ちゃんだ。
私は重い荷物を畳に置き、疲れた首を解した。
一方夏奈ちゃんは、元気が有り余っているらしく、部屋をぐるぐると探索していた。
「ははは、夏奈ちゃんは元気だね」
「だって考えてみなさいよ。これから私は柚希と夜を共にするのよ?こんな興奮する事はないじゃない!」
何を口走るかこの変態は。
「な、何言ってんだか」
いつもの事とは言え、やっぱり私は恥ずかしいので頬を染めてしまう。
そんな私を夏奈ちゃんは見逃す訳もなく。
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