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柚希が…私を拒絶した……?
消えていく…。
手から儚く消えていく温もり。涼しいはずの風が何故だか冷たく感じた。
何で?何でかな…。
酷く怯えた柚希の顔が脳裏に張り付いて剥がれない。
何度も、何度も、何度も繰り返し、繰り返し柚希の拒絶の言葉が私を戒める。
「はは…ははは…」
乾いた笑い声が喉の奥から沸いて出た。同時に、溢れんばかりの涙も。
頭が真っ白になり、涙が零れた---。
「っ……ヒック…ぅ…うわぁぁぁぁぁぁん!!」
私は泣いた。泣き叫び、喉を潰す程に。
私の泣き声は止む事を忘れ、森に木霊した。
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