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「な、尚先輩!」
私と夏奈ちゃんの視線は当然ながら先輩の方へ行き、私は隙の出来た夏奈ちゃんからパッと離れた。
それにしても、この状況を見られてしまうなんて…。
しかも、一番お調子者でお喋りな尚先輩にだ。
きっと次の日には夏奈ちゃんと私の交際疑惑がかけられているだろう。
「ん~。お取り込みだったのかなぁ~?。ねぇ、麻姫はどう思う?」
これまた夏奈ちゃん以上のニヤリ顔をした尚先輩と……ま、麻姫先輩ぃ!!?
は?
何で麻姫先輩がそこにイルンデスカ?
しかも顔を真っ赤にしながら…。
「あのぉー…。まさか見てました?」
真っ赤な顔の麻姫先輩に夏奈ちゃんは尋ねた。
そして、確かに首を頷かせたのだ…。
「私はさ、麻姫が顔を真っ赤にしている姿を見て駆け付けたんだけど。お取り込み中だったの?」
だったのと言う事は、間一髪まだ尚先輩には決定的なところは避けられたと言う事か。
いや、それはいいのだが…。深い傷が私の胸に……。
麻姫先輩に誤解された…。
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