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次の日の朝、リュートリアの中央にある広場でユリアンら四人が集まった。
しかし、隊長であるオーランドはいっこうに出発の合図を出さない。
「隊長、全員揃いましたよ。早く出発しないと…」
初任務のユリアンは待ちきれないといったふうに言葉を発する、それを聞いたオーランドとギュスターウはめんどくさそうにため息をついた。
「十中八九、悪魔が出てくると判っていても僕達は一応、異端審問官付きの騎士だ。
神官がいないと調査が出来ないんだよ。」
三四郎は二人に変わりそう説明した。程無くして一人の若い神官が姿を表した。
その神官には司祭の印がついている、
「遅くなったな。オーランド、出発前に新隊員が入ったそうだな。どいつだ?」
神官の問いにオーランドは無言でユリアンに視線を送る。
ユリアンは神官の正面に立ち、挨拶をするが「自己紹介などいらない。すぐに死ぬかもしれない奴の名など覚えても1Gにもならないからな。」
と言い放つ、その耳元で三四郎は
「テオさんはお金以外にはほとんど興味をしめさない人だから気を悪くしないでね。」と囁き、
ギュスターウは「まともな神官が俺達と一緒に来る訳ねえだろ。」と毒付いた。ともあれ、ユリアンは最初の任務へ出発することになった。
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