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村の中央に来るとオーランド達が魔物と対峙していたが、
逃げ惑う村人達に阻まれ、戦うことが出来ないでいた。
なんとかギュスターウが、切りつけたが致命傷には至らず、逃げられてしまった。
「みなさん、今日のところはもう大丈夫です。」三四郎が村人に呼びかける。
ユリアンは村人を守れたことに喜びを感じていたが、
「倒してくれなければ安心なんて出来るか!
今日は大丈夫でも明日はどうなるか分からないじゃないか。」との言葉に打ちのめされた。
確かに倒さなければ、村を救ったことにはならないからだ。
しかし、ユリアンは村人の言葉に敵意を感じていた。
いや、今思えば最初に村に訪れた時から彼等の目には恐怖と敵意が張り付いていた。
オーランド達はそのことを感じていないのか無言でその場を後にした。
メーベルの家に帰る道でユリアンは三四郎に村人達がどうやら、自分達に敵意らしきものを抱いているかもしれないと言う話しをした。
三四郎は「それは仕方ないことだよ。僕達は異端審問官の護衛部隊。通称「魔女狩り」だからね。
僕達に目をつけられたが最後、悪魔信仰者だろうが、なかろうが、断罪の塔からは生きて出られない。」こう答えた。
ユリアンは信じられないと言った表情で
「そ、そんなことが…許されていいんですか?
僕はそんな人達を救いたくて騎士になったんです。それなのに…こんな…」三四郎に詰め寄る。
三四郎はユリアンの顔を正視出来ずに顔をそむけた。
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