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次の日からユリアン達は、魔物の捜索を本格的に始めた。
だが、成果が上がらず、無為に時を過ごしたある日の夜中、寝れずに外を眺めていたユリアンはメーベルが人目を気にしながら家を出てくのを見た。
「メーベルさん、こんな時間にどこに行くんだろう。まだ、魔物も退治されていないし、危険だ。」と、
とりあえず剣をとり、こっそりとメーベルの後を着いて行くことにした。
メーベルの後を着けながらユリアンは村外れの小さな小屋の前に着いた。
中からは話し声が聞こえてきた。
どうやらメーベルとその兄が話しているようだ。
「いつもすまないな、メーベル。村にお前一人おいておくのは心配だが、私は…」
「いいのよ。はい、換えの包帯。」よく見るとメーベルの兄は右腕を怪我している。
確か逃げた魔物にも右腕に傷を負っていた妙な偶然だと考えていると、
「どうやら当たりかもな。テオ、準備はいいか?」
いつの間にかオーランド達がいた。
テオが、「もう少しだ。これは金はかからないが、少々時間がかかる。」と言いながら雲って何も写らなそうな鏡になにやら呪文を唱えている。
「よし、いいぜ。」テオの言葉を受けてオーランド達は小屋の中に入っていった。
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