89人が本棚に入れています
本棚に追加
ハンナの村の一件から二ヶ月、
なんの任務もなく第三中隊の面々は自堕落な毎日を送っていた。
ユリアンはそんな彼らに飽きれながらも、
いざと言う時の戦闘能力の高さや清廉な精神を尊敬し初めるとともに疑問に思っていた。
なぜこれだけの使い手達をこんなところでくすぶらせているんだろうと。
そんなある日、
「隊長、今日はお酒は我慢してくださいね。」
三四郎が忙しそうにぱたぱたと走りまわりながらオーランドに釘を刺していく。
その様子を見ていたギュスターウが「今日はあいつが帰って来る日じゃねえか。」と言いながら外に出て行った。
なんのことかときょとんとするユリアンに三四郎は後ろから声をかけた。
「ユリアン君、ちょっとテーブル並べるの手伝ってくれるかな?」
訳も分からず、とりあえず三四郎の手伝いをするユリアン。
テーブルを並べ終わった時に誰か来るのかと聞くと
「あれ?言ってなかったかな?うちには後二人隊員がいるんだ。
そのうちの一人が今日帰って来るんだ。
そういえば、ユリアン君とは年も近いし仲良くして欲しいな。」
そういえば聞いた気がするするそう思いながらテーブルクロスをひいた。
最初のコメントを投稿しよう!