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それからしばらくして誰かが宿舎に入ってきた。
ユリアンが迎えに出ると一人の少女がいた。
まさか、この娘がと思っていると、
「ティリアちゃん、お帰り。」三四郎がにこやかに少女を出迎えた。
年が同じくらいと事前に聞かされていたがまさか、女性とは思っていなかったユリアンはとても驚いた。
ティリアに自己紹介をしたユリアンだったが、ティリアはぼーっとしていてなんの反応もない。
それどころか、その整った顔からは感情が読み取れない。
「オーランド…ただいま。」ティリアはようやく、これだけ喋った。
オーランドは、軽く頷いてティリアを食堂へと導いた。
それと入れ違いにギュスターウが戻ってきた。
「ギュス、遅いですよ。」と三四郎が咎めると、
ギュスターウは買い物袋を取り出して
「まあ、そう言うなよ。これ買ってたら遅くなっちまった。
ユリアン見たか?あいつが俺達の切り込み隊長だぜ。」と言った。
「出来れば、違う生き方をして欲しいのですが…」そう言うと三四郎も辛そう顔をして口を閉ざした。
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