教皇の狗

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この中年神官の名はバスデン、教団において教皇、大司教に次ぐ司教の地位にいる。 彼が権力をふりかざせば騎士になりたてのユリアンをどうにでも処分できた。 彼は今回のことを不問にし、彼の配属先を伝えた。 (ここがユリアンが目指していた人事部だった。) 「君の配属先は第二師団第二連隊第三大隊の第三中隊だ。これが辞令書だ。」 礼を述べて退室するユリアンをバスデンは陰湿な笑みを浮かべながら見送った。 第二師団、教皇庁の防衛や警備自衛戦闘など人と戦うことを目的とした第一師団とはことなり、 第二師団は人ならざる者との戦いに特化した部隊である。 そのため、部隊の規模も一師団ほどなく、隊員にも異能の能力を持つ者も少なくない。 その主たる任務は魔女狩りである。 神の名のもとに悪魔信仰者を倒すと言う この魔女狩りも長い年月を経て、事の本質を忘れられていた。
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