教皇の狗

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翌日、ユリアンは三中隊の宿舎にやってきた。 「おはようございます!この度第三中隊に配属された、ユリアン・メイスンです。 よろしくお願いします!」と意気込んで宿舎に入ったが、 「誰もいないのか?」ユリアンはもう一度大きな声を出そうとして息を吸い込んだ。 すると、「うるせえ…二日酔いの頭に響くだろうが…」 薄暗い部屋の奥にあるソファからむくりと誰かが起き上がりユリアンの方に近付いてきた。 「中隊長のオーランドだ。 見たところ新任の騎士のようだが、なにをした。」 オーランドと名乗った男はじっとユリアンを見つめた 何のことか理解出来ない様子のユリアンに 「この第三中隊は脛に傷のある奴の寄せ集めだ。 だから、新任の騎士が配属されることはねえ。」 ユリアンが言葉を口にしようとしたその時、 「このくそ中隊に新隊員だと?余程の門題児か?」 「そんな大声で聞こえますよ。」と背後の扉が開き、二人の男が入ってきた。 オーランドは二人を咎める様子もなく、再びソファのところに戻り、酒の瓶を手にとり 「ギュスターウ、そのひよっこにいろいろ教えてやれ。」と言うと飲み始めた。
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