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『僕は人が好きだよ』
「なんで?」
『優しいから』
「優しい?人が?そんなの嘘だよ」
『ううん。ほんとだよ。どんな人も心の奥底には優しさを持ってるんだ』
「・・ほんと?」
『うん。僕はずっと人をみてきたからわかる』
「そうかなぁ?」
『文男は人が何を考えてるかわかるんだよね?』
「うん。というか、みえるんだ」
『そっか。じゃあ、文男もわかるときがくるよ』
「そう?」
『うん』
「ねぇ、おりてきてよ」
『えっ!?無理だよ。‥でも文男は僕の声が聞こえるんだよね。もしかしたら‥。ちょっと待ってね』
「うん」
しばらくすると空に浮かんでいた一番小さな雲がゆっくりと俺の前におりてきた。白くてふわふわしてて人のような形をしていた。
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