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サラは教室を後にするとギシッギシッと軋む廊下に出た。
職員室に向かいながら、ふと、微かにする甘い匂いに気がつく。
「あっ…金木犀」
校庭に面した窓から見下ろすと1階下の倉庫脇に黄色い花をつけた木が1本だけ、やはりそこにあった。
「ああ、もうそんな季節か」
汗ばむこともなくなり、長い袖に替わったシャツの白い色に良く合ったスカーレット色のリボンを結び直す。
季節は夏から秋へ変わったのだ。
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