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雲一つ無い快晴の空の下、一人の青年が草の生い茂る一面緑の高原を歩いている。
髪と瞳は黒く、精悍だがどこか幼さの残る顔立ちをしている青年であった。
頬にはいくつか小さい切傷が瘡蓋となり残っている。
服装は薄汚れた白いシャツと動きやすそうな褪せた藍色の生地が丈夫そうなズボン。
リュックサックをひとつ背負っていて、左腰には一振りの段平を携えていた。
「あ……」
唐突に青年は無気力そうに呟く。
すると、
「そうだね~これはちょっと暑すぎかも」
どこからか、青年のものとは違う声で返事が帰ってくる。
周りには、誰一人として人はいない。
しかし、
「は~……の~……」
「……うん。私も。それにしてもまだかなぁ、次の国」
しかし、奇妙なことに青年と見えない何かによって会話が成り立っていた
「……ねぇ、旅する目的考えついた?」
声の主は、問いかけた。
青年は少し黙ってから呟く。
「……ま」
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