54人が本棚に入れています
本棚に追加
/74ページ
物乞いを睨みつけて完全に警戒体勢に入っている千兵。
そんな千兵をよそに、物乞いは千兵の目の前に立ち、こう尋ねてきた。
「旅人さん……だね?」
「……む!」
千兵は眉間に皺を寄せ、剣の柄に右手をかけた。
「うわわわわわ!待って!話を聞いてよ!」
それに焦った物乞いはピリピリしている千兵を必死に制した。
「…………」
害は与えられないだろうと判断してか、千兵は段平の柄から右手を離した。
最初のコメントを投稿しよう!