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威風堂々歩く千兵の目の前に、ボロボロのフードを被った年寄りの物乞いが立ちふさがった。
フードを浅めに被っていたため中の顔が見えた。
まず顔には、髪の生え際のちょうど真ん中から左目を通って左耳たぶ位にかけて大きな傷の縫い跡が痛々しく存在していた。
顔中に深い皺が入っていて目はあまり開かないようだった。
千兵は目の前に立ちはだかる老人を避けようと、歩きながら右側にずれる。
すると、
「おい、兄ちゃん」
黙っていた老人が口を開く。
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