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千兵の身体は一瞬宙に浮き、重力に従い地面に着くと勢いで地面を転がり、うつ伏せの状態で止まった。
千兵は立ち上がる気配が無い。
原因は不意に胸を強打されたせいか千兵は息が出来なくなっていたからである。
息が詰まり呼吸がいきなり出来なくなった千兵が、少し間を開けてから苦しみに耐えながらも起き上がろうとしたその時、
何者かの大きな足がうつ伏せの千兵の両手足首を踏みつけた。
「……ッ!」
耐え難い強烈な痛みに千兵は声すらろくに出せないくらい悶絶した。
痛みと格闘しながらも千兵は両手足首を踏みつけた足の主を辿った。
それは先程の小柄な男を後ろに隠しながら近づいてきていた、鶴嘴を持った四人の大柄な男だった。
四人の男達は自分達が押さえた両手足首が動かない事を確認すると、それぞれ持っている鶴嘴をゆっくり、かつ力強く振りかぶる。
もうダメだ……
千兵はそう思うと、両手足首を自由にしようともがくのを止めて、ぎゅっと目を瞑った……
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