秘密と修行と解体新書

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「え……?いや、でも――」 リリィが戸惑うが、 「あ、別に僕が払う訳じゃないから気にしなくていいよ」 「いやいやそうじゃなくて、この国に滞在する期間とか決まってないし、もし長いことこの国にお邪魔することになったらそれなりに――」 「だーいじょーぶだって、言ってるじゃんか!僕がお金かかんないようにしてあげるからさ、今すぐにでも」 そう言うと小さな物乞いは、着ているフード付布切れの懐から無線通信機のようなものを取り出す。 ボタンを1つだけ押すと、電話をするようにそれを耳と口に当てた。 「あ、もしもし?えっとさー、――」 どうやらそれは電話のようである。
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