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一方リカは、英治にどんどん惹かれていった。それは当たり前のことだった。僕から見ても、英治は本当にいい男だったから。 リカは少しずつ社交的になっていった。 僕ら2人以外には相変わらずそっけない態度をとることもあったが。 僕はリカの変化が喜ばしかった。 しばらくして、リカと英治は付き合いだした。僕はリカをあきらめきれたわけではなかったが、彼女と同じくらい英治のことも大切に思っていた。だから、あえて思いを伝えようとはしなかった。それだけの勇気がなかったこともあるが。 僕は2人に遠慮して距離をおこうとしたが、彼らは決して僕を邪魔者扱いしたりしなかった。むしろ、3人の仲は、以前より親密になった気さえした。 僕は胸の中の小さな痛みを隠しつつ、日々を過ごしていた。
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