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「行ってきまーす!」
加奈は玄関でそう告げると家をでた。
「忘れ物ない?……ってもう出てるし…」
「加奈は行ったのか?」
加奈の父は洗面所からでて母に言った。
「ええ…。」
加奈の家庭は父・母・加奈の三人。父は、IT企業に勤めており、母は専業主婦。
「あなた…」
母はお弁当を渡す。
「…もう三年経つのか…」
父はお弁当をもらうとそう呟いた。
「あなた、まだ…」
「いや、もう大丈夫だよ………行ってくる…」
「おはよーございます」
校門の前に立つ先生に生徒達は挨拶をする。
と、校門前に一台のリムジンが止まる。
「さ、お嬢。」
田中がドアをあけ、蛍が姿を現す。
「おはようございます、先生。」
「お、おはよう…ございます…」
先生は、思わず敬語になってしまう。
「加奈さん、おはようございます。」
蛍は教室に入ると真っ直ぐに加奈の席へ。
「お、おはよう、花龍院さん…。」
加奈は蛍に挨拶をした。
「…ところで、加奈さんは部活動とか、決めました?」
唐突に蛍は質問した。
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