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「私のかおさ、どんな感じ?」
勇気をふり絞ってクラスの子に聞いてみても、返ってくる答えは皆一緒。
「ふつーだよ?」
ふつー。それはきれいでも不細工でもないってこと?
私はうつくしいんじゃないの?
祖母の言っていたことは、果たして真(マコト)だったのだろうか。
肝心の祖母はもういないので確かめようがない。
――よいか、絶対に鏡なんか覗くんではないぞ。
祖母の言葉が脳裏をよぎる。確かめる方法はただ一つ……。
鏡ヲ覗ク。
誰もが抵抗なしに行える筈の事が、私にはできない。
恐怖が募る。鏡に映っているものは真実。その真実を、果たして私は受け止められるのだろうか……。
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