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「…誰や?」
携帯を落とした音が聞こえたのか
三人がドアの方に向かってくる
(帰…らなきゃ、)
そう思うのに、
目の前が涙で滲んで、膝が震えて動けない
ガラッとドアが開いた
「…か、め…?」
ドアを開けたのはじんだった
じんの声を聞いた瞬間
更に涙が出てきてしまって
(泣き顔なんて見せたら、またバカにされるのに…っ)
「まさか…さっきの話…聞いて…た…?」
じんの驚いた顔を見れば事実なのだと知り
これ以上、泣き顔を見られたくなくて
携帯を拾い、必死に走った
「っ、かめ!!!!」
じんが俺を呼んだ
だけどそれさえも信用できなくて
ただただ、走ったんだ
(…嘘付き、)
俺の恋は
悲しい雫となって消えていった
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