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君の甘い匂い…
口の中に広がる甘さが
凄く 凄く
イヤだと思った。
なぜだろう
邪魔者は皆消えて
アリスは僕のものになったのに
凄く イヤだ
頭だけになってしまった君を
そっと抱えると
頬につたっていた《何か》に気づいた
アリスの頬を伝う《何か》は
流れ落ち、僕の手を伝う。
「泣いていたのかい?アリス…」
前に、アリスは泣いていた。
無知な僕は《それ》を知らなくて
聞いてしまった。
―アリスこれは何だい?―
―…時期にわかるわ―
その後にそれが《ナミダ》だと知った
グリフォンに聞いたんだ
グリフォンはカナシイからナミダが出るって言ってた
…アリスはカナシイだったのかな
僕と一緒になること
イヤだったのかな
僕はシアワセだよ?
だって君を手に入れたんだから
凄く 凄く
―シアワセ―
だから
今僕の頬を伝っているのは
ナミダなんかじゃない
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