†ソーダ

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しゅわ しゅわ しゅわ みんな消えてく まるでソーダみたいに。 「きれーい…」 そう1言呟くと 頭が1つゴロゴロ。 足にすりよってくる。 「真っ赤ね、チェシャ猫」 そう、真っ赤。 目が痛くなる程に。 「貴方は…赤が好きなんでしょう?」 頭がゆっくりこちらを向く。 赤を選んだ 私の猫。 「ねぇ…幸せって何?」 手の中にいつのまにかあった青い刀。 いつのまにか動いた、私の手。 肉に食い込む刀。 吹き上がる《赤》 嗚呼、やっぱり赤だった。 私はこんなに青いのに みんなみんな《赤》 私 は 1 人 ぼ っ ち 青になったけど 幸せはつかめない。 消えかけの世界で 少女の声だけが響く。 「ネェ…青ハスキ…?」
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