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私はもうすぐ死ぬ。 母さんも父さんも、私には何も言ってくれなかった。 「大丈夫だよ」「すぐに治るさ」 そんな言葉をかけられる。 わかっている。私のことを思っているのはわかっているよ? でも、自分の事は自分が一番良く知っているんだ。 私の病名はガン。 長い入院生活。 抗がん剤で髪は抜け落ち、体は痩せ細っていた。 でも、その抗がん剤投与も無くなった。 母は「良くなってきたから、もう必要ないんだよ」と言っていた。 わかってる。わかってるんだよ? 私はもう手遅れなんだよね? だから、抗がん剤も必要ない。 余生を楽しめるように。 だから、私は感謝している。 母さん。私を気遣ってくれてありがとう。 父さん。いつもと変わらない態度でいてくれてありがとう。 体は楽になったよ? 抗がん剤が無くなったからかな? ありがとう。 親不孝でごめんね… 私…先に逝きます  
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