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「サエ…体は大丈夫?」
母さんが私に聞いた。
「大丈夫だよ。少しボーッとしてただけ」
私は母さんに笑いかける。
「ねぇ、お母さん…」
「なあに、サエ」
「死んだらどうなるのかな?」
母さんは一瞬ビクッとした様だったが、またいつもの優しい顔で私の頭をなでてくれた。
「バカね…そんなこと考える必要なんてないんだから」
「そう…だね」
私は母の気持ちを受け入れるしかできなかった。
でもね、私を安心させるつもりなのだろうけど、逆に不安になっちゃうんだ…
「真っ暗なところに行くのかな?」
「………」
母さんは何も答えることができない様子だった。
「怖い…怖いよ…」
私は泣き出してしまった。
母さんは「大丈夫。大丈夫だから」と、泣きじゃくる私を優しく包み込んでくれた。
親孝行したかったな…
こんなに優しい母親を持って、私は幸せ者です。
神様。
後どれくらい時間がありますか?
私、母さんに何かしてあげたいよ。
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