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「貴女は、神様のトップってことね。まぁ、幻想郷の中じゃ力も弱まってるでしょうけど」
一番合ってほしくない事、すでに幻想郷には何柱〈ナンチュウ〉も居るため、ここに辿り着くのはごくごく自然なことかもしれないが、けっして忘れられることもない人物が幻想に紛れ込んだのだから、紫としては合ってほしくなかったのだろう。
「まぁ、そう言う事になるのさ~」
「しょ、証拠とかあるんですか?」
今だに信じられないといった顔をした藍が繊月に問いかける。
証拠がなければ信じられない、当然である。
その相手が、神様と名乗っているのだから疑問に思うのは必然だ。
「証拠ねぇ・・・、ここに何柱か部下を引きずり出せばいい?」
何とも物騒なことを発言する繊月。
証拠と言う証拠がないのであるから、部下を使って説明するのは一番手っ取り早いのだ。
少し紫が考えるようなそぶりを見せてから首肯、OKサインが出たので畳の上に繊月の小さな手を乗せる。
置いた場所から溢れる光は紅。
紅く赤く、染め抜かれた陣が浮かび上がる。
次元が違う、と言える状態まで捻じ曲げられた幻想郷に無理やり部下を連れてくるのだから当然の力の入れ具合である。
「顕現、」
一言、その一語で紅色の陣が発動する。
不安定なゆらぎを出していた陣の周囲が確定され、止まる。
そこから中心に向かって流れこむようにして渦を巻き始め、そこから何かが這い上がって来る、重圧を伴うほどの気配を保ちながら。
「ほら、部下の一人ゼっくん、これでいい?・・・・・・えっと、紫さん?」
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