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藍が夕飯の支度をしている最中に紫がスキマを使って料理をつまみ食いするのを藍が防ぎながら料理を作っている最中。
ふと、つまみ食いに夢中になっている紫が思い出したように言いだした
「あの子なかなか起きないわねぇ・・・」
紫からの360度全方位からのつまみ食い攻撃を防ぎながら紫の思いにこたえるため、手を素早く動かしながら答える
「そうですね、今は橙が看ていますから大丈夫ですけど・・・、紫様、つまみ食いをこれ以上なさるなら、紫様のおかずを減らしますよ?」
料理をするもののみが持つ特権的な兵糧攻めを敢行しようと紫に言いきる
それを聞いて手をふよふよと振り泳がせて奥の間に引っ込んでいく
「わかればいいです、わかればね?」
奥の間に引っ込んで行った紫に向かって念を押す様に藍は告げる。
(ば、ばれてる!?)
と紫の考えを先読み出来るのは本当に付き合いが長いからこそである。
「次につまみ食いに手を伸ばしたら本格的に少なくしますか・・・」
○ ○
マヨヒガの家の一室、畳敷きの日本家屋を代表するかのような一間の真ん中に蒲団が敷かれて、そこに寝かされている白髪の少女が寝かされている
その横には、二股に分かれた猫特有の長い尻尾と、キャベツのような色をした帽子をかぶった猫耳持ちの女の子が座っている。
時折、寝ている少女の額に乗せられている濡れタオルを交換したりと、看病をしている様子である。
一瞬、寝ている少女が身もだえしたかと思うと次の時には目覚めを表すかのような苦悶の声を洩らしていく。
「お、起きた!?」
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