〇、狼は王妃に

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  「早くこいよ。篶歌様にお会いするんだから」 「はい、朧さん」 屈託のない笑顔で笑うと、朧も笑い返した。 ちくり、と胸が痛むのを気にせず、アーリーは朧に着いて行った。 「篶歌様」 「アマンサ、もう体は平気か?」 篶歌の自室にジンと二人で来ると、にこやかにアマンサが待っていた。 「ご心配をおかけしました」 「アマンサ。例の男は来ているか?」 すると、腕組みしたジンがアマンサに尋ねる。アマンサは短く返事をすると、すぐに三人の男を連れてきた。 異国の武人の朧宇利、斗玻の武人の伍徳。そして、真っ黒な肌をした珍しい男。 「お前の身辺を警護する護衛官達だ」 「変わった肌の色だ」 興味深そうに眺める篶歌にジンは笑いを溢した。 「こいつは遠いキュンゴの武人だ。力持ちで腕もたつ」 「へえ。名前は何と言うんだ?」 男に問いかけると、篶歌に深く頭を下げ、爽やかな笑顔を向けた。
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