第二幕 転校生

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「お前はバカか?」 後ろから、思いきり引っ張られた。 私の手を引いたのは・・・何と言うか黒かった。 羽織ったコートが黒ければ、被っている帽子も黒い。髪も黒い。肌と手に持った細長いのだけが白かった。 「君は誰っ!?」 「いいから逃げろっ!!」 面倒に感じたのか、突然私を抱き上げて走り出した。 これは、女の子の憧れ。ザ・お姫様抱っこ!? 凄いなぁ、少年版メーテル。え?少年版メーテルって何か?だって帽子が鍔のない筒みたいだから。 駄目ならブギ○ポップだっ!! すみません、ちょっと現実から目を背けました。 だってあんな化け物、普通の女の子である私、北川琴葉の頭では許容出来ない、出来ないのだよ君ぃ!! 「現実逃避は済んだか?」 「少年版メーテルは人の心も読めるのっ!?」 「・・・何だそれは。お前がさっきから口に出してるんだ。」 「あんですとっ!?」 おかしい、クールで冷静(意味が被ってる)な、今まで築き上げた私のイメージ(自惚れ)がっ!! 「とりあえずアレ、消すからお前はどっか行け。」 「女の子に対する扱いが酷っ!?ってアレ、何とか出来るのっ!?」 「・・・放り投げていいか?」 「激しく遠慮するっ!!」 「じゃあ黙ってろ。」 私を降ろして少年(長いから以後略)が手を化け物に向ける。 何かを小声で呟いているが、よく分からない。 「爆ぜよっ!!」 本当に、呆気なく化け物が爆発した。 その化け物の残骸も、空中で燃えていく。 やがて、少年の言葉通り、化け物は消えた。
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