第二幕 転校生

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化け物の消えた廊下で、私は立ち尽くしていた。 今のは何だったのだろう?あの化け物も謎だが、この少年も謎だ。 この少年を何となく表現するなら、魔法使いがしっくり来る。 「キメラの失敗作・・・なのか?だとしたら裏にいるのは錬金術師か。」 錬金術師?片腕片足が機械で弟が鎧のアレですか? それともミニスカートの計算マニアですか? いやそれよりも・・・ 「君って何者?」 「どうも正体が見えないな。もう少し様子を見るか。」 ・・・無視ですか。無視しますか、この少年は。 「全く、厄介な事件だな。妖刀だけの問題じゃないなんて・・・」 「フライングコトハダーイブッ!!」 説明しよう、『フライングコトハダイブ(通称FKD)』とは、左手左足を真っ直ぐに、右手右足を斜めに伸ばしてジャンプする事でKの文字を全身で作り、そのまま体当たりする技である。 意味?特にないっ!! 「お前うるさい。」 私の必殺技があっさりかわされたっ!? くそぅ、即興で作った技なのに・・・これじゃあ私が馬鹿みたいじゃないか。 そこの読者、『その通りじゃん』とか言うなっ!! 「そういえばお前の事を忘れていた。」 やっと気付いたのかよっ!? しかもよく見たらコートの下にうちの学校の制服着てるし。ネクタイの色から察するに・・・一年生かっ!! 私より年下のくせにっ!! 「ちょっと君・・・」 「いいから忘れろ。全部夢だ。」 少年の手が私の頭に触れると同時に、私の意識は遠のいた。 最後に見た少年の目は、何処か優しく見えた。
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