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「おかしいのよね、帰る時に琴葉の事を完全に忘れてたのに、家にいると思い出すのよ。」
「とりあえず彩華がひどい奴だと分かった♪」
冗談めかして言うが、確かに不思議な話だ。
まして彩華の性格を考えれば、そんな薄情な事はしない。
それにこの違和感、何なんだろう?
「あっ、琴葉っ!!あれ見てあれっ!!」
いきなり彩華に肩を叩かれる。
「えっ?どうかしたのっ!?」
「あの子、昨日転校してきた一年生、小さくて可愛いのっ!!うわー、短パン履かせたいっ!!」
そういえば彩華ってショタだった。長身故のコンプレックスみたいな感じもある。
ふむ、確かに中性的な顔立ちだし、線も細い。冷たそうな雰囲気が・・・あれ?あの子、何処かで・・・
「そこのハニーっ♪☆?★」
まずいっ!!これは久々の『暴走』だっ!!
解説・・・普段は落ち着いた常識人の彩華は可愛い少年を見ると、頭と体のリミッターが解除される。かつて一年生の寺島日陰に対しても同じ事態を起こし、以後近付く事を禁止されている。
被害にあった日陰少年は後にこう語る。
『あれは獣だった。本気でやらなかったら、殺されていた。』
・・・私の友達は何者なんだろう。噂ではその辺の不良も勝てないって噂だけど・・・
とにかく止めないとっ!!あの一年生の未来の為にっ!!
急いで少年の元に駆け寄り・・・
「あっ・・・アナタは昨晩の・・・」
全部思い出した。
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