第三幕 追跡

3/7

903人が本棚に入れています
本棚に追加
/108ページ
「おかしいのよね、帰る時に琴葉の事を完全に忘れてたのに、家にいると思い出すのよ。」 「とりあえず彩華がひどい奴だと分かった♪」 冗談めかして言うが、確かに不思議な話だ。 まして彩華の性格を考えれば、そんな薄情な事はしない。 それにこの違和感、何なんだろう? 「あっ、琴葉っ!!あれ見てあれっ!!」 いきなり彩華に肩を叩かれる。 「えっ?どうかしたのっ!?」 「あの子、昨日転校してきた一年生、小さくて可愛いのっ!!うわー、短パン履かせたいっ!!」 そういえば彩華ってショタだった。長身故のコンプレックスみたいな感じもある。 ふむ、確かに中性的な顔立ちだし、線も細い。冷たそうな雰囲気が・・・あれ?あの子、何処かで・・・ 「そこのハニーっ♪☆?★」 まずいっ!!これは久々の『暴走』だっ!! 解説・・・普段は落ち着いた常識人の彩華は可愛い少年を見ると、頭と体のリミッターが解除される。かつて一年生の寺島日陰に対しても同じ事態を起こし、以後近付く事を禁止されている。 被害にあった日陰少年は後にこう語る。 『あれは獣だった。本気でやらなかったら、殺されていた。』 ・・・私の友達は何者なんだろう。噂ではその辺の不良も勝てないって噂だけど・・・ とにかく止めないとっ!!あの一年生の未来の為にっ!! 急いで少年の元に駆け寄り・・・ 「あっ・・・アナタは昨晩の・・・」 全部思い出した。
/108ページ

最初のコメントを投稿しよう!

903人が本棚に入れています
本棚に追加