第三幕 追跡

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突然私の口が塞がれ、担がれる。そして少年は走り始めた。 「術式選択、認識阻害・・・」 何かよく分からない事を言っているが、何をしたいかは理解出来た。 誰も、こっちを見ていない。 人が誘拐のような扱いなのに、誰も気付いてないのだ。 彩華も、周囲を見回しているが、私達を見つけられない。 「重力解放、跳躍・・・」 今度はいきなりどこかの民家の屋根に飛び乗った。 この少年に不可能はないのか? 連邦の白いMSは化け物かっ!? 「・・・って、そんなのはどうでもいいから、離してっ!!」 「・・・・・・」 少年は何も言わない。まるで私の存在を無視するように、屋根の上を走り続ける・・・何で屋根? やがて私達はマンションの一室に到着した。ベランダから入ったけど。 これといった特徴のない、普通の部屋だった。敢えていうなら飾り気がない部屋だった。おそらくここは少年の部屋だろう。 部屋の真ん中で、少年は私と向かい合った。確かに、昨日見た少年だった。 「お前は何者だ?」 目上の人間に『お前』呼ばわりっ!? 何て失礼な少年だっ!!今度彩華に襲わせよう。 「こちらの魔術を無効化するなんて同じ魔術師でなければ不可能だ。 お前は、何者だ?」 話がよく分からない。 これは日本語?
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