第三幕 追跡

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「えっと、私は北川琴葉。ただの高校生だよ?」 とりあえず、自己紹介かな?『何者』と問われても、私はただの高校生だ。 実は宇宙人とかそんな奇抜な設定なんてない。 「ただの高校生に魔術の無効化なんて出来るわけないだろ。どうやって俺を思い出した?」 「どうやってって聞かれても、君を見たら突然思い出しただけだよ?てか、いい加減名前教えて欲しいんだけど?」 「魔術の構成が不安定だったのか・・・そういうミスはしないんだが・・・」 また無視かっ!?また昨晩みたいな展開かっ!?この少年めっ!! 「そう邪険する事もなかろう、主よ。こう何度も関わればこれは縁だ。」 突然部屋に響く凛とした声、気付けば部屋の隅に女性が立っていた。 巫女さんだっ!! 生巫女さんだっ!! 頭に金色のわっかを付けた巫女さんが何か立っているっ!! コスプレ? 「フツノ、勝手に出て来るな。 こいつは一般人だ、事件に関連なんてないんだ。無駄に情報を渡して危険な目に会わせる必要はないだろ。」 「何も教えずに気付けば危険の渦中、よりはよかろう?」 私を無視して言い合う少年と巫女さん。はて、フツノ?以前何処かで聞いた単語のような気がする。 「そもそも主は学校を休むつもりかえ?まして女子を部屋に連れ込むなど、堕ちたものよ。」 「元々カモフラージュに通っているだけだ、問題ない。それよりこっちの方が問題あるだろ。」 「ヤレヤレ、女子一人に振り回されるとは、情けない。」 「それは普段俺に振り回されてる事に対する皮肉か?なんなら今度は物干し竿の代わりに使ってやろうか?」 「主、刀が錆びてもよいのかっ!!」 何か私、放置されてる?
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