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「おぉ、忘れておったな。お初にお目にかかる、北川琴葉。我の事は『フツノ』と呼べばよい。」
「あっ、えっと、はじめまして。」
何というか、綺麗な人だ。言葉遣いがやたら古い感じがするけど、フツノさんだとそれも魅力的に感じてしまう。
「主、名乗るくらいはよかろう?」
「必要ない。」
「主。」
「・・・藤原優。」
フツノさん凄いっ!!
あの無愛想な少年が素直に自己紹介したよっ!!
「それで、藤原くんは魔法使いなの?」
藤原くんはしばらく考えた後、ため息を一つして、私と向かい合う。
こうして見ると、結構美形だ。
「正式には『魔術師』だが、一般人には魔法使いが分かりやすいな。
質問に答えるなら、その通りだ。」
「魔術師・・・本当にそんなのいたんだね。ねっ、空とか飛べるの?星とか出せる?」
「星を出す事に意味は感じないが、無理すれば空は飛べるな。」
何てメルヘンチックな話だ。世の中不思議でいっぱいだ。まさか魔法使いが実在するなんてっ!!
「・・・もしかして、魔術師って普通にいるものなの?」
「そんなわけあるか。俺がこの街に用事が出来たから来たんだ。」
「用事?」
藤原くんの用事・・・魔術師・・・もしかして、何か冒険があったとかっ!?
ドラゴン倒したり魔王倒したり王様と入れ替わった魔物退治とか?
「何を倒したの?」
「最近起きてる通り魔殺人に関してだ。バカみたいな想像するな。」
バカ呼ばわりですかっ!?
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