第三幕 追跡

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「おぉ、忘れておったな。お初にお目にかかる、北川琴葉。我の事は『フツノ』と呼べばよい。」 「あっ、えっと、はじめまして。」 何というか、綺麗な人だ。言葉遣いがやたら古い感じがするけど、フツノさんだとそれも魅力的に感じてしまう。 「主、名乗るくらいはよかろう?」 「必要ない。」 「主。」 「・・・藤原優。」 フツノさん凄いっ!! あの無愛想な少年が素直に自己紹介したよっ!! 「それで、藤原くんは魔法使いなの?」 藤原くんはしばらく考えた後、ため息を一つして、私と向かい合う。 こうして見ると、結構美形だ。 「正式には『魔術師』だが、一般人には魔法使いが分かりやすいな。 質問に答えるなら、その通りだ。」 「魔術師・・・本当にそんなのいたんだね。ねっ、空とか飛べるの?星とか出せる?」 「星を出す事に意味は感じないが、無理すれば空は飛べるな。」 何てメルヘンチックな話だ。世の中不思議でいっぱいだ。まさか魔法使いが実在するなんてっ!! 「・・・もしかして、魔術師って普通にいるものなの?」 「そんなわけあるか。俺がこの街に用事が出来たから来たんだ。」 「用事?」 藤原くんの用事・・・魔術師・・・もしかして、何か冒険があったとかっ!? ドラゴン倒したり魔王倒したり王様と入れ替わった魔物退治とか? 「何を倒したの?」 「最近起きてる通り魔殺人に関してだ。バカみたいな想像するな。」 バカ呼ばわりですかっ!?
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