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結局、藤原くんは魔術を教えてくれず、私は大遅刻を犯しながらも学校に行った。偉いな私♪
しかしっ!!年下の藤原くんにナメられる訳にはいかない、いかないのだよチミィっ!!
そんなわけで、私は夜の学校にやってきた。
藤原くんはきっと今晩も学校にいるだろうし、昨日の化け物だっていると思えば平気だ。もしもの時にと、防犯ブザーも持って来た。
完璧だわ、完璧過ぎて恐いわっ!!
「よし、いざ出陣っ!!」
学校の塀を越えて、グラウンドに侵入。当然だが誰もいない。そのまま横切って校舎に侵入。一階の女子トイレの鍵は壊れていて、簡単に侵入出来るのだ♪
「こちらスネーク、侵入成功だ。」
一人でなりきって見る。
そこの君、寂しい奴とか言うなっ!!恐いんだぞ、夜の学校のトイレは恐いんだぞっ!!
ほら、トイレの花子さんとかあるじゃない。あれを連想するのよっ!!
周囲を確認して、廊下に出る。よし、誰もいない。昨日みたいな展開もない。
それにしても私ってスパイみたいだな?クールな女スパイ、その名は北川琴葉。大統領だって殴ってみせらぁ、だけど親だけは勘弁なっ!!
・・・悪くないかも。
「おや、こんばんは。」
あれ?誰もいないはずだよ?
「こんな所で何をしているんですか?」
振り向くと、そこには一人の男が立っていた。
縁のないメガネに、白いスーツ姿で、優男という感じがする。体の線も細い。いかにもな紳士だ。
だけど、なんだろう?
なんというか、この人は何処か歪んでいるような気がする。
上手く説明出来ないけど、こう、だまし絵を見せられている感覚だった。
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