第四幕 遭遇

2/6

903人が本棚に入れています
本棚に追加
/108ページ
結局、藤原くんは魔術を教えてくれず、私は大遅刻を犯しながらも学校に行った。偉いな私♪ しかしっ!!年下の藤原くんにナメられる訳にはいかない、いかないのだよチミィっ!! そんなわけで、私は夜の学校にやってきた。 藤原くんはきっと今晩も学校にいるだろうし、昨日の化け物だっていると思えば平気だ。もしもの時にと、防犯ブザーも持って来た。 完璧だわ、完璧過ぎて恐いわっ!! 「よし、いざ出陣っ!!」 学校の塀を越えて、グラウンドに侵入。当然だが誰もいない。そのまま横切って校舎に侵入。一階の女子トイレの鍵は壊れていて、簡単に侵入出来るのだ♪ 「こちらスネーク、侵入成功だ。」 一人でなりきって見る。 そこの君、寂しい奴とか言うなっ!!恐いんだぞ、夜の学校のトイレは恐いんだぞっ!! ほら、トイレの花子さんとかあるじゃない。あれを連想するのよっ!! 周囲を確認して、廊下に出る。よし、誰もいない。昨日みたいな展開もない。 それにしても私ってスパイみたいだな?クールな女スパイ、その名は北川琴葉。大統領だって殴ってみせらぁ、だけど親だけは勘弁なっ!! ・・・悪くないかも。 「おや、こんばんは。」 あれ?誰もいないはずだよ? 「こんな所で何をしているんですか?」 振り向くと、そこには一人の男が立っていた。 縁のないメガネに、白いスーツ姿で、優男という感じがする。体の線も細い。いかにもな紳士だ。 だけど、なんだろう? なんというか、この人は何処か歪んでいるような気がする。 上手く説明出来ないけど、こう、だまし絵を見せられている感覚だった。
/108ページ

最初のコメントを投稿しよう!

903人が本棚に入れています
本棚に追加