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金属同士が、ぶつかる音が聞こえた。
スピアさんの刀が、何かに弾かれた?でも、私の前には何もない。
「なるほど、通り魔殺人の理由はそれなのか。そしてお前が首謀者、話が早くて助かる。」
廊下の向こう側、暗闇の中から現れたのは、昨晩と同じ格好をした藤原くんだった。
「へぇ、君は魔術師なのか?嬉しいよ、凄く嬉しいよ。僕は魔術師に憧れているんだ。」
「『スピア』が称号だったな。聞いた覚えがある。確か神話クラスの槍を再現した錬金術師だったな。」
錬金術師?かなりイメージが違う。でもそれを言ったら、藤原くんも魔術師には見えないか。
「僕を知っているのかい?嬉しいな、凄く嬉しいな。それで君は、何て称号なんだい?知りたいな、凄く知りたいな。」
「教える義理はない。」
藤原くんが細長い包みから出したのは、鞘に収まった長い刀だった。
それを器用に抜いて、スピアさんと向かい合う。
「それは・・・神剣だね。確かこの島国の神話に出てくる神剣だ。確か、あぁ、思い出したよ。」
「そうか。」
当然斬りかかる藤原くん、それをスピアさんが何とか防いでいる。
「その神剣は確か、『布津御魂』だったね。長くて言いにくい名前だから、思い出したよ。」
フツノミタマノツルギ?
確かに言いにくい。あれ、フツノ?
「あぁ、思い出した。思い出したよ。君の称号。
『ブラック』
それが君の称号だね?有名だね、凄く有名だね。知っているよ、建御雷神。」
タケミカヅチノカミ?神様?
意味が分からない。
あんたら読者と私を無視して何処まで行くつもりなの?
そろそろ説明プリーズっ!!
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