第五幕 一時保護

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「事の始まりは数ヶ月前、『妖刀』と呼ばれる品が盗まれた。そして最近、この辺りで通り魔殺人をしている奴から『妖刀』の一本が見つかった。」 「『妖刀』ってなんですか?」 「人の怨念などの負の感情を込めた刀だよ。主に二つに別れるが、その説明はまた今度。」 いや、無口な人も得意分野になるとよく喋るもんだ。実は藤原くん、ウンチク好きだね? 「説明を続けるが、この土地は『霊地』と呼ばれる特殊な土地で、今はそれを封印している。その封印に使う楔のそばで、通り魔殺人は起こっている。スピアの話を鵜呑みにするなら、探す為に殺したんだろう。」 「『霊地』ってなんですか?」 「霊的事象を起こしやすい土地を魔術師はそう呼んでいる。大抵何か『曰く付き』な場所だ。」 すらすらと説明を続ける藤原くん。メガネだ、メガネが必要だと思う。 「何故この土地が霊地なのかはまだ分からない。歴史を調べてみるしかないな。一応聞いてみるが、お前はこの土地の歴史に詳しいか?」 「私が詳しいように見える?」 「いや全く。」 「否定かフォローしてよっ!?」 なんというか、段々この扱いに慣れてきたよ。あぁ、私はこのまま調教されるのかな・・・ 年下の男の子に・・・ 身も心も縛られて・・・ ・・・じゅるり。 ・・・って、私は変態かっ!?
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