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「事の始まりは数ヶ月前、『妖刀』と呼ばれる品が盗まれた。そして最近、この辺りで通り魔殺人をしている奴から『妖刀』の一本が見つかった。」
「『妖刀』ってなんですか?」
「人の怨念などの負の感情を込めた刀だよ。主に二つに別れるが、その説明はまた今度。」
いや、無口な人も得意分野になるとよく喋るもんだ。実は藤原くん、ウンチク好きだね?
「説明を続けるが、この土地は『霊地』と呼ばれる特殊な土地で、今はそれを封印している。その封印に使う楔のそばで、通り魔殺人は起こっている。スピアの話を鵜呑みにするなら、探す為に殺したんだろう。」
「『霊地』ってなんですか?」
「霊的事象を起こしやすい土地を魔術師はそう呼んでいる。大抵何か『曰く付き』な場所だ。」
すらすらと説明を続ける藤原くん。メガネだ、メガネが必要だと思う。
「何故この土地が霊地なのかはまだ分からない。歴史を調べてみるしかないな。一応聞いてみるが、お前はこの土地の歴史に詳しいか?」
「私が詳しいように見える?」
「いや全く。」
「否定かフォローしてよっ!?」
なんというか、段々この扱いに慣れてきたよ。あぁ、私はこのまま調教されるのかな・・・
年下の男の子に・・・
身も心も縛られて・・・
・・・じゅるり。
・・・って、私は変態かっ!?
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