第六幕 変わる日常

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その日の放課後、私は図書室で色々と調べてみた。『布津御魂』、簡潔に言うと『神殺しの刀』のようだ。 布津御魂は一つの神であり、建布津神とも呼ばれている。これを振るったとされるのが建御雷神と言われている。 (そういえば、スピアさんも藤原くんを『建御雷神』って呼んでた。つまり布津御魂を扱う者をそう呼ぶのか・・・) そうなると、一つの仮定が成り立つ。 藤原くんが持っていたあの刀(藤原くんが言うには野太刀らしい)こそがフツノさん。私達と話す時には人の姿になっている。 冷静に考えると馬鹿みないな、漫画みたいな話だ。しかし現に起こっている以上は、認めるしかないだろう。 「気は済んだか?」 用事があると言って席を外したいた藤原くんが戻ってきた。何でも色々な部活から勧誘されていたらしい。 「部活はどうだったの?」 「くだらない、興味もない。」 相変わらず、無愛想だ。 見ていて思ったが、藤原くんは自分から他人と距離を置いている。昨日のダリアさんの話では、 『本来はカモフラージュで通ってるし、役目が終わればサヨナラ、だからね。 それに、関われば危険な事もある。』 言いたい事は分かる。 だけど、寂しいじゃないか。 任務とか、それだけなのは寂しい。 だから、私は思う。 いつか 藤原くんが 笑えますように
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