第六幕 変わる日常

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その日の帰り、私達は一緒に帰る。そういえば色々あって、一番重要な事を忘れていた。 「藤原くん、お願いがあるの。」 「何だ?」 「これから名前で呼んでもいい? 表向きは恋人同士なんだから、そっちの方が自然だと思うし・・・」 いつまでも『藤原くん』というのは距離を感じる。仲良くなれるなら、仲良くなりたい。 そっちはもう呼び捨てだし。 「悪いが俺は恋愛なんて未経験だからそういう機微は分からない。だからそっちに任せる。」 「じゃあ、優くん。」 「好きに呼べ。」 呼び方一つでも距離は変わる。僅かに近付けた気がした。 少しずつ、私の日常が変わっていく。 ある魔術師の存在が、変えていく。 この行く末に どんな結末があるんだろう? 私はまだ知らない。 先に待つ苦難を、私は知らない。
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