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こんばんは、琴葉です。
私達は今、深夜の学校に来ています。当然ですが怖いです。幽霊とか本気で出てきそうで泣きそうですよっ!!
「・・・異常なしか。」
優くんは何で平気なのかなっ!?私はもう帰りたいです。
「優くん、何でもいいから話してよ💦」
「知らん。」
「じゃあ私が話すから聞いててよ、相槌打ってよ?」
とは言っても、何も思いつかない。こんな状況で呑気な話なんて出来ない。
何か、何かないかなっ!?
「・・・ある家庭のお父さんが、地上げ屋さんの前に立って言いました。
『ここを通さん。』」
「・・・・・・」
視線が、視線が痛いっ!!
違うの、こんなバカなダジャレが言いたいんじゃないの。
怖くて何も思いつかないのよっ!!
「・・・昔、フツノにホットケーキが食べたいと伝えた。だけどフツノはホットケーキを知らなかったらしく、市販のケーキをフライパンで焼いていた。」
「・・・えっ?」
話の内容より・・・いや、その話も激しく気になるけど、それよりも優くんからこういう話をしてくれた事に驚いた。
「自信に溢れたフツノが言っていた。
『こんな怪しげな料理を好むとは、異国の人間は変わっているの?』
後でお菓子作りの本を送ってやったら、フツノは顔を真っ赤にいていた。」
「あははっ♪」
思わず笑ってしまった。そんな時でも優くんは無表情で、でも楽しそうだと思った。
「やっぱりフツノさんって日本料理が得意なの?」
「大抵の料理はこなすが、お菓子とかは苦手だった。
いや、和菓子は出来たか。」
それは興味がある。今度作ってもらおう。
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