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優くんの渾身の一撃を受け止めきれず、スピアの体が揺れる。その隙を逃すほど優くんは優しくない。鋭い一撃が空間を走る。
それを、スピアは紙一重でかわして後ろに跳んだ。
「なるほど、なるほど。流石は特例で認められた魔術師、強い、強いなぁ。
だけど解せない、解せないな。何時まで本気を出さずにいるつもりだい?」
「・・・これで問題ない。」
「それはつまらない、つまらないなぁ。」
スピアが構える。それは以前見せた槍を投げる構えだった。
「前回のは挨拶程度だったけど、今度は本気だ。君と北川琴葉、二人まとめて仕留める。
これでも、本気は出さないのかな?」
スピアの目が鋭くなる。おそらくこれから来るのは最強の一撃だ。それに対して優くんは・・・
「・・・・・・・・・・・・・・フツノ、限定解除。」
『主っ!?』
「全力じゃない、大丈夫だ。」
優くんが初めて、構えた。刀の先が天を指す、まるで時代劇のような構え。
やがて、二人の声が響いた。
「貫け・・・
『ブリューナク』っ!!」
「万物悉く・・・
切り裂けっ!!
『布津御魂』っ!!」
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