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「なるほど、混沌の魔術師ね。確か本名は・・・」
「ヒルベルト・フランベルジュ。俺の魔術学院在籍中の仲間だった男だ。」
自宅に戻ってきた私達は、ダリアさんを交えて話し合っていた。
そんな中で優くんはそんな事を口にした。
「思い出した、確か『ダンウィッチ事件』に関わっていた学生がそんな名前だったよね?
その一件もあって優は特例で上級魔術師の資格を得た事件だよね?」
「特例?」
「日本神話に伝わる『布津御魂』を使用、成績においても問題なしって事で、上級魔術師の資格を得たの。」
「上級魔術師と言っても、やってる事は雑用だ。事件が起こる度に色々な国に派遣されてる。」
「主、正式名称は『魔術騎士団』だ。戦闘能力の高い魔術師のみが選ばれる名誉ある仕事だぞ?」
優くんってそんな立場だったのか。
考えてみれば魔術師のイメージは、暗い部屋で怪しげな薬を『ヒッヒッヒッ~』と言いながら作っている感じだ。優くんとは全く重ならない。
「才能さえあれば年齢は関係ない、魔術師にとって上に行く、大成する事は重要な事なのよ。」
「俺はそんなの興味ない。出来る事をやっていたらこうなっただけだ。」
優くんは例外なのかな?
いや、むしろ優くんって何歳なんだろ?
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